暦の上では初夏になりました。夜になれば肌寒いですが、昼は汗ばむようなことも増えてきましたね。
そうなると考えておきたいのが、本格的な夏の到来に備えた仕事服。最近は「涼感」として、着るだけで涼しく感じる仕事服も出ています。
今回は、夏用の仕事服を選ぶポイントをご紹介します。
「涼感アイテム」が涼しく感じる理由
そもそも、「涼感」を謳うアイテムは、どのような原理で涼しく感じるのでしょうか。キーワードは「気化熱」と「熱伝導」です。
気化熱
水分が蒸発する際には、気体になるためのエネルギーが必要です。このエネルギーは、水分のまわりにあるものの熱が当てられます。例えば、汗が蒸発するときには、人の体温がそのエネルギーに使われます。ゆえに、熱が奪われて「涼しい」と感じられるのです。
熱伝導
タイルに寝そべったらひんやりして気持ち良い……と感じたことはないでしょうか。これはまさに「熱伝導」によるもの。熱は熱いほうから冷たいほうへ流れていく性質を持っていますが、どれくらい熱が流れていくかは熱を伝えるかは物質の「熱伝導率」によって決まります。たとえば前述のタイルのように触るとひんやりするものは、熱伝導率が高いもの、といえます。
「気化熱」は水分(汗)が蒸発するから涼しくなり、「熱伝導」は他のものが体温を奪うから涼しくなる、というように覚えておくとよいでしょう。
夏用仕事服の選び方
それでは、涼しく感じられる仕事服は、どのように見分ければよいのでしょうか。大きく分けてポイントは3つあります。
1つ目は「吸汗・速乾加工」が施されているかどうかです。これは、文字通り汗をすばやく吸って、すぐに乾くように施された加工。気化熱が起こりやすいので、加工がされていないものより、涼しく感じられます。
2つ目は「接触冷感素材」が使われているかどうか。こちらは熱伝導率の高い素材が使われており、触れるとひんやりとした涼感を得られます。最近では、熱伝導率の高いナイロンを使ったポロシャツを、インナーとして着るのが人気を集めています。
3つ目は、夏用の仕事服に多く採用されている「ベンチレーション」の有無。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは服の中に溜まった熱や湿気を外に追い出すシステムです。服に空気の通り道であるメッシュが入っており、そこから熱が抜けて、通常よりも涼しく感じられます。
首筋に近い背裏や脇下などにメッシュがあると、熱のたまりやすい場所に空気を通せるので、体感気温が低く感じられるようになります。
前述の首筋付近や脇下の他にも、汗を拭き取りにくい背中、脇腹のあたりにメッシュがある仕事服を着ると、いつもより涼感を得ることができますよ。
涼しく過ごせる工夫も!
また、仕事服以外にも市販の涼感グッズを使えば、より快適に作業をすすめられます。仕事中にも使えるグッズとしては、濡らして振るとひんやりするタオルや、シャツなどに吹きかけておくと冷たく感じられるスプレーなどがありますよ。
近年では、6月中に30度を超える日も出てくるようになりました。熱中症にならないよう、涼感アイテムで対策してみてはいかがでしょうか!