作業服の着用が必要な現場にありがちな“油汚れ”。
多少の汚れは仕方ありませんが、作業着はできるだけキレイにしておきたいですよね。
でもこの油汚れはなかなかガンコで、いつものように洗濯機へ入れるだけでは落ちてくれません。それどころか、ヘタをすると洗濯機の洗濯槽が汚れてしまって、次の洗濯物に臭いや汚れが付着する恐れも。
そこで、作業着をきれいに洗えて、かつ洗濯機のメンテナンスに手間がかからない方法をご紹介します。
大事なのは“下準備”!
ガンコな油汚れを落とすには下準備、洗濯でいうところの“浸けおき”と“予洗い”が大切。ちょっと面倒ですが、予洗いの有無で汚れの落ち方が目に見えて変わるのです。
時間と手間こそ若干かかるものの、基本的には簡単な2ステップでOK。手順を書いていきますので、ぜひ試してみてください。
ステップ1. バケツにお湯を用意する
まず、バケツにお湯を注ぎます。このお湯の温度は、だいたい60度前後。
なぜかといえば、油汚れは基本的に油が“固体化”して起こるので、落としたいときには油を溶かしてあげればいいのです。固体が液体になる温度を“融点”と呼びますが、動物油は約40度、植物油は約60度まであげれば融点に達します。ちなみに機械油の場合は、およそ約50度です。
この際に面倒だからといって洗濯機に熱いお湯を注ぐと、洗濯機が故障する可能性もあるので、必ずバケツを利用してください。
ステップ2. 作業着用洗剤を溶かし、作業着を浸け置きする
次にバケツへ注いだお湯に作業着用洗剤を溶かします。
その中に作業着を2時間ほど浸けておきましょう。
2時間浸け置いたバケツです。水がだいぶ濁っており、汚れがしっかり落ちているのがわかりますね。
油汚れがひどい場合、お湯がぬるくなってから固形の洗濯石鹸をよく泡だて、ブラシを使って擦って洗えば、下準備完了です。
あとは洗濯機で洗濯をすれば、汚れがいつもよりきれいに落ちます。また、洗濯する際に40度以上のお湯を使うと、油汚れがよく浮き、落ちやすくなりますよ。
洗う前と洗ったあとを見比べてみると、一目瞭然ですね。
なお、汚れの落ち方に関しては、生地の材質や組織(織り方)、表面加工の種類などによって同じ洗い方をしても汚れ落ちの度合いに差が生じることがあります。特に、ポリエステルなどの化学繊維は一般的に汚れが染み込みにくい反面、一旦繊維の中にまで浸透すると汚れが落ちにくいという特性があります。
また、このマークがついていたらご注意を。
(※2016年12月より、以前のマークから、こちらのマークに変更になります)
このマークは「洗う際の水温の限度は40度」という意味合いです。取り扱い表示を見ればマークの有無がわかりますので、洗う前に確認しておきましょう。
ちなみに、ここでちょっと豆知識。作業着のなかにはソイルリリース加工という、特殊な加工が施されているものもあります。これは作業着の繊維に水が入るやすくなっているため、何も加工がされていないものより汚れが落ちやすいというもの。もし汚れがつきやすい職場で作業着を着用する場合は、ソイルリリース加工が施されているものを選ぶと汚れが落としやすくなります。
洗濯槽が汚れてしまったら
うっかり下準備を忘れて、作業着をそのまま洗濯してしまったら。洗濯槽は油汚れでべっとり、次の洗濯物も臭いがついて……なんてことにもなりかねません。
でも、作業着についたものに負けず劣らずのガンコな油汚れですが、ちゃんと洗えば落ちるんです。せっかくなので、こちらも試してみてください。
酸素系漂白剤を使う
酸素系漂白剤を使うと非常に簡単です。40度以上のお湯を洗濯槽の一番上に届くように入れ、酸素系漂白剤を水10Lにつき約100g混ぜます。その後5分ほど運転を行い、約2時間浸けおきます。そうしたらもう一度運転を行い、ネットで汚れをすくってください。あとはすすぎと脱水で洗濯槽がきれいになります。
作業着の汚れは落ちたでしょうか? 作業着はきれいな方が心が引き締まりますよね。作業着が特に汚れてしまった日は丁寧に下準備をして、丹念に汚れを落として明日の仕事へ臨みましょう!